構想2:教育教材化

text虜人日記は、太平洋末期のフィリピンにおいて、32歳のアルコール技師(民間人)が、国を命を受け、家族を日本に残しフィリピンへ赴任し、技術者として現地工場の燃料生産に邁進する時期、ネグロス島のジャングルでのアメリカ軍からの逃亡生活、降伏後の捕虜収容所での捕虜生活と3部作で構成されています。その記録の全ては、戦後のGHQ主導の日本の教育が制定される前の、フィリピンの収容所の中で完成されているという点も、虜人日記が「戦後のアメリカの影響を受ける前の資料」としての価値を提供します。

usa

日本に帰国の際、アメリカ軍が発行した証明書

<和訳>

捕虜収容所番号#2

ルソン戦争捕虜キャンプ#1

証明書

1946年11月6日
これは、これらの本が小松真一氏(51-J-43984)の所有物であることを証明する。

ノートブック
No.1~No.8(日刊紙)
全8冊のみ

Loren D. Pratt
2nd Lt. Inf.
捕虜収容所・司令官

エンジニアという比較的に、自由な思考が許される立場から残された真一の記録は、戦争とは無関係の現代に生きる私たちに、何を伝えるのでしょうか?真一は、「日本の敗因」という21項目におよぶ敗因の要因を記しました。下記は、原本を映像化してものです。

虜人日記に記されている「敗因21ヶ条」原文

Mr. Yamamoto

真一の「日本の敗因21カ条」を基に書かれた山本七平氏の著書

真一が記した内容に関しては、「こうしていたら日本はアメリカに勝てた」という内容でななく、日本が、戦争を起こす前に、本当にこれらの重要事項を、吟味した上で、決断をすることはできなかったのかと、一個人として疑問を投げかけるものです。そして、その質問は、現代を生きる私たちにも向けられます。現代の日本では、「戦争」とは無縁かもしれませんが、「災難」や「危機」に遭遇した時に、考えるべき着眼点を提供しているのではと思います。時代を超えても、未だに現代の日本の会社組織や人間関係においても一貫した内容が含まれているのかを真摯に向き合う機会を与えます。

トヨタ自動車の元会長で、経団連元会長の奥田さんは、真一の虜人日記を基に書かれた山本七平さんの「日本はなぜ敗れるか 敗因21か条」を読んで、トヨタ幹部に「是非読むように」と薦められました。

・先人の見識を未来に活かす
日本の教育では、戦国時代や江戸時代の事は、必須で学ぶかもしれませんが、太平洋戦争に関しては、必ずしもそうではないと聞きます。年号や人名を正確に暗記する事が必要かどうがは、また別の議論になりますが、先人たちが、過去の大戦を、どの様に考え、行動したかを、現代の私たちが、真剣に向き合い考え「過去の歴史の問題の本質」に迫ることは、価値のあることだと考えます。

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